中古マンションの内見チェック10|リノベ前提なら"見る場所"が変わる理由を職人が解説

中古マンションの内見でチェックすべきポイント|堺市のリノベーション会社TEAM-R

中古マンションを買って、自分好みにフルリノベーションしたい。物件情報を見て、いよいよ内見。……でも、実際に部屋に立ってみると「何を見ればいいんだろう」となりませんか。

ネットで「中古マンション 内見 チェックリスト」と検索すると、壁紙の傷み、日当たり、水まわりの古さ、収納の量——といった項目がずらりと並びます。ですが、リノベーション前提で買うなら、その多くは見なくていい項目です。工事で変えてしまうからです。

この記事では、大阪府堺市のリフォーム・リノベーション会社「株式会社TEAM-R」代表で、フローリング職人として現場に約10年携わってきた潮が、リノベ前提の内見で本当に見るべき10のポイントを、現場目線でお話しします。

この記事の結論|先に要点

  • フルリノベ前提の内見は、「工事で変えられないもの」だけを見ればいい
  • 最重要は①床の構造(直床か二重床か)管理規約の床の遮音等級PS(パイプスペース)の位置抜けない壁(躯体壁)天井高の5つ。ここは後から変えられません。
  • 逆に、間取り・水まわりの古さ・壁紙・床の傷みは気にしなくて大丈夫。工事で解決できます。
  • ただし「ここは工事しない」と決めている部分があるなら、そこだけは普通の内見と同じ目線で厳しく見る
  • 床の上張りができるかどうかなど、判断が難しい部分はプロの同行が確実です。TEAM-Rは内見同行を無料で承っています。

1. リノベ前提の内見は、なぜ「見る場所」が変わるのか?

物件の内見

結論:工事で変えられるものを内見でチェックしても、判断材料にならないからです。

一般的な内見チェックリストは、「そのまま住む」ことを前提に作られています。壁紙が汚れていないか、キッチンが古びていないか、コンセントの位置は使いやすいか。これらは、そのまま住むなら確かに重要です。

しかしフルリノベーション前提なら、壁紙は張り替えますし、キッチンも入れ替えます。コンセントの位置に至っては、リノベーションなら家具を置く位置に合わせて配置し直せます。つまり、内見時点の状態を気にする意味がありません。

見るべきなのは、その逆です。工事しても変えられないもの、あるいは変えるのに大きなコストがかかるもの。 ここを見落とすと、契約後に「やりたかった工事ができない」という事態になります。

リノベで変えられるもの(内見で気にしなくてよい)変えられない・変えにくいもの(内見で見るべき)
壁紙・床の仕上げ材の傷み床の構造(直床か二重床か)
キッチン・洗面・トイレの古さ管理規約の床の遮音等級の規定
住戸内の間取り(多くの場合)PS(パイプスペース)の位置
コンセント・照明の位置躯体壁(外周・構造壁)
収納の量・配置天井高
建具・ドアのデザイン窓・サッシ(共用部扱いのため)

以下、「見るべき側」を順番に解説します。

2. 【最重要】その物件は「直床」か「二重床」か?

リノベーションしたマンションのリビング

結論:リノベーションの自由度がいちばん大きく変わるのがここです。ただし、素人が内見で見分けるのは正直むずかしいです。

マンションの床は、大きく2種類あります。

  • 直床(じかゆか)……コンクリートのスラブに直接フローリングを施工する構造
  • 二重床(にじゅうゆか)……スラブの上に支持脚を立てて床を浮かせる構造

この違いで、リノベーションでできることが変わります。

直床二重床
床材の選択肢基本的にL-40〜45相当のマンション用フローリングを張る必要がある支持脚側で遮音性能をクリアするため、仕上げ材は比較的自由に選べる
水まわりの移動制約が大きい移動しやすい
配管や電気配線制約あり床下に通せる
天井高稼ぎやすい床が上がる分、天井高は低くなりがち

潮の説明では、直床の場合は遮音等級をクリアした「マンション用フローリング」を張ることになるため、無垢材のような仕上げは選べないケースが出てきます。「せっかくリノベするなら無垢の床にしたい」と考えている方にとっては、物件選びの段階で結論が決まってしまう部分です。

二重床であれば、床下に空間があるぶん、水まわりの位置変更や配線の取り回しに余裕が生まれます。

とはいえ、内見の場で床をコンコン叩いて判別する、というのは現実的ではありません。図面で確認するか、プロに同行してもらうのが確実です。

3. 管理規約の「床の遮音等級」は、内見の前に確認する

管理組合の資料を確認する男性

結論:ここは内見でいちばん確認漏れが起きやすいポイントです。規約で等級が決まっていれば、選べる床材はそこで決まります。

マンションには管理規約があり、多くの物件でリフォーム時に使用できる床材の遮音等級が定められています。「L-45以上」といった形です。この規定がある以上、どれだけ気に入った床材があっても、等級を満たしていなければ使えません。

不動産会社に「フローリングの遮音等級の規定はありますか」と一言聞くだけで確認できます。内見当日に、必ず聞いてください。

逆に、規定が「ない」物件の落とし穴

意外なのは、規定がない物件のほうが注意が必要な場合があるということです。潮によれば、2000年前後より古いマンションでは、床の遮音等級の指定がない物件もあるとのこと。

一見すると「自由に床材を選べてラッキー」に思えます。ですが、規定がないということは、周りの住戸も防音していない可能性があるということです。

潮からのコメント

自分の家をしっかり防音しても、まわりの住居がそうじゃないので、まわりからの音がすることがあります。

自分が出す音は対策できても、上や隣から来る音は工事では防ぎきれません。築年数の古い物件を検討する際は、この点を頭に入れておいてください。

4. 水まわりはどこまで動かせる?──PSの位置とお風呂のサイズ

リフォームでお風呂を新しくした画像

結論:スケルトンにしないのであれば、お風呂は現状のサイズが入るかどうかが前提になります。

「間取りは自由に変えられる」と言いましたが、水まわりだけは例外的に制約があります。理由はPS(パイプスペース)——給排水管が通っている縦のスペースの位置が動かせないからです。

排水は勾配を取って流す必要があるため、PSから遠ざかるほど不利になります。つまり、PSの位置によって、キッチンや洗面、トイレを移動できる範囲がある程度決まってしまうわけです。

そしてお風呂。潮の回答は明確でした。

潮のコメント

スケルトンじゃないなら、お風呂のサイズはそのまま。現状のサイズでいけるかどうか。

ユニットバスはサイズ規格が決まっています。「今より広い浴室にしたい」と考えているなら、それが物理的に成立するかどうかは、内見の時点で見ておくべきポイントです。

なお、洗面やキッチンについては、既製品ではなく造作(オーダーメイド)にすることで、寸法をその空間にぴったり合わせるという解決策もあります。造作の費用感については「造作洗面は16.5万円、造作キッチンは65万円|"既製品と同じ金額"でできるカラクリ」で実額を公開しているので、あわせてご覧ください。

5. 抜ける壁・抜けない壁は、内見でどこまで分かる?

マンションリノベーションで間仕切り壁を解体した様子。

結論:住戸の外周と躯体面は抜けません。住戸内部の壁は、多くの場合抜けます。ただし古いマンションは例外があります。

間取り変更の可否は、壁が構造体かどうかで決まります。潮の整理はこうです。

  • 躯体面・住戸の外周 → 抜けない
  • 住戸内部の壁 → だいたい抜ける
  • 古いマンション → 内部にも躯体壁があることがある

最後の一点が要注意です。築年数の古い物件では、一見ただの間仕切りに見える壁が構造体を兼ねている場合があります。壁を叩いた音である程度の推測はできますが、確実ではありません。

潮のコメント

図面や不動産会社に聞く方がいいです。

内見時に図面をもらえるか確認しておくと、その後の計画がスムーズです。

6. 天井高・電気容量・結露──後から効いてくる3つ

天井が高いリビングで解放感のあるマンションリノベーション

結論:天井高は「2,400mmより高いか」を目安に。電気容量は大きいに越したことはない。カビ・結露のひどい物件だけは、工事でも解決しきれません。

天井高

一般的なマンションの天井高は2,400mm前後。潮によれば、これより高ければ体感としてはっきり広く感じられるとのことです。メジャーを持っていくなら、まず測ってほしい数字です。

なお、二重床の物件は床が上がるぶん天井高が抑えられている傾向があります。前述の直床・二重床とセットで考えてください。

電気容量・分電盤

電気容量は、大きいに越したことはありません。特に注意したいのがIHクッキングヒーターを導入するケース。潮によると、物件によっては分電盤の交換が必要になる場合があります。「調理はIHにしたい」と決めている方は、事前に容量を確認しておくと安心です。

一方、コンセントの位置は内見で気にしなくて大丈夫です。リノベーションなら、家具を置く位置に合わせて配置し直せます。

結露・カビ

ここは、この記事のなかで唯一「工事でも解決しきれない可能性がある」項目です。

コンクリートの躯体面は湿気が溜まりやすく、通常はスタイロフォーム等の断熱材を入れて対応します。ただし潮は、こう線を引いています。

潮のコメント

あまりにひどい場合は、断熱材で対応しても防げないので要注意です。

壁一面が黒く変色している、押入れの奥がカビ臭い、サッシまわりに水跡が残っている——こうした状態が見られる物件は、リノベーションで完全に解決できるとは限らないとお考えください。ここだけは、内見時の「今の状態」がそのまま判断材料になります。

7. 床が傷んでいた場合、どうなる?(上張り・張り替え・床鳴り)

古く劣化したフローリング

結論:床の傷みそのものは、ほぼ工事で解決できます。ただし「上張りで済むか、張り替えになるか」で費用が変わり、その判断は素人には難しいところです。

フローリング職人として約10年現場に立ってきた潮に「内見で床を見るとき、具体的に何をしますか」と聞いたときの答えは、意外なものでした。

潮のコメント

リノベが前提ならとくにない。床は上張りできるかどうかの判断があり、それは素人では難しいので、プロに同行してもらうのがいい。

既存の床の上に新しい床材を張る「上張り」ができれば、既存床の撤去費用がかかりません。できなければ、剥がして張り替えることになります。この判断は、床の構造・下地の状態・仕上がりの高さなど複数の条件が絡むため、見た目だけでは決まりません。

明確に「張り替えるしかない」と判断される状態としては、次のようなケースが挙げられました。

  • 日焼けでパリパリになっている
  • 水漏れがあって、傷みがひどい

床鳴りは直せます

歩くとキシキシ音がする——内見でよく気になるポイントですが、潮の答えは「基本的には直せる」でした。

費用は1箇所あたり3万円程度(仕上げ材料は別途)。全面を張り替えるリノベーションであれば、そもそも工事のなかで解消されるケースがほとんどです。床鳴りを理由に物件を諦める必要はない、と考えていただいて大丈夫です。

8. 「リフォームしない部分」こそ、いちばん真剣に見る

マンションリノベーションで綺麗になったキッチン

結論:内見に行く前に「どこを工事して、どこを残すか」を決めておいてください。残す部分は、普通の内見と同じ目線で厳しく見る必要があります。

ここまで「気にしなくていい」と書いてきましたが、それは全面リノベーションする場合の話です。

予算の都合で「LDKだけリノベして、洋室は既存のまま」「水まわりは残して内装だけ変える」といった進め方をするケースも当然あります。その場合、残す部分は工事で改善されません。

潮のコメント

予めどこをリフォームする、リフォームしないを決めておくといいです。リフォームしない部分がある場合は、そこを注意して見ておくといいです。

内見の前に工事範囲の当たりをつけておくと、当日の見るべきポイントが自動的に決まります。この準備があるだけで、内見の精度は大きく変わります。

内見に持っていくもの

潮に聞いた「持っていくと良いもの」は、拍子抜けするほどシンプルでした。

  • メジャー(天井高・開口の幅・水まわりのサイズを測る)
  • メモ用紙
  • 図面(あれば。事前に不動産会社へ依頼を)

9. リノベ済み・リフォーム済み物件を買うのはアリ?──職人の本音

リノベーションでおしゃれになったキッチン

結論:水まわりが全部交換されていて、デザインと間取りが気に入っているなら、アリです。

「どうせリノベするなら、リフォーム前の安い物件のほうが得では」と考える方は多いのですが、潮の見方は少し違います。

判断基準は「いちばんお金がかかる水まわりが交換済みかどうか」。キッチン・浴室・洗面・トイレの交換は、リノベーション費用のなかでも大きな割合を占めます。ここが新しくなっていて、なおかつ間取りとデザインが好みに合うなら、買う価値は十分にあります。

そのうえで、潮はこう続けます。

潮のコメント

壁紙や床などは、水回りに比べて費用はかからないので、リフォームで好みにするという方法もあります。

つまり、リノベ済み物件を買って、内装だけ自分好みに変えるという選択肢です。壁紙や床の張り替えなら、フルリノベーションに比べて費用も工期もかなり抑えられます。「全部やる」か「何もしない」かの二択ではありません。

個性的な壁紙や、あえて仕上げに使うラワン合板など、内装だけでも空間の印象は大きく変えられます(→ラベル柄の壁紙×ラワン合板で"雑貨屋っぽい部屋"を作るコツ)。

10. TEAM-Rならではの視点:内見同行は無料で承っています

堺市西区にあるTEAM-Rのリノベ店舗

結論:判断が難しい部分は、職人が横で見るのがいちばん早いです。TEAM-Rは内見同行を無料で対応しています。

ここまでお読みいただいて、お気づきかもしれません。この記事で挙げたポイントのうち、直床か二重床か、上張りができるか、その壁が抜けるか——これらはいずれも「素人には判断が難しい」と潮が明言している項目です。

チェックリストを持っていっても、判断ができなければ意味がありません。

TEAM-Rでは、内見への同行を無料で承っています。現地でその場で「この物件なら、やりたいことはこうすれば実現できます」「ここは構造上むずかしいので、別の方法を考えましょう」とお伝えできるので、契約前の判断材料になります。

株式会社TEAM-Rは大阪府堺市を拠点に、堺市全域(堺区・中区・北区・南区・美原区・西区・東区)と大阪市全域、松原市・和泉市・泉大津市・高石市・羽曳野市・大阪狭山市・富田林市・河内長野市に対応しています。中古マンションのリノベーションをご検討中で、「この物件で自分のやりたいことができるのか」を判断したい方は、契約前にお声がけください。

よくある質問(FAQ)

中古マンションの内見は、1件あたりどのくらい時間をかけるべきですか?

リノベーション前提であれば、寸法を測り、床・壁・PSの位置・天井高・カビの有無を確認する時間として、30分程度は確保しておくと安心です。メジャーとメモは必ずお持ちください。

床鳴りがする物件は、買わないほうがいいですか?

そんなことはありません。床鳴りは基本的に補修できます。費用は1箇所あたり3万円程度(仕上げ材料は別途)で、全面張り替えを伴うリノベーションであれば工事のなかで解消されるケースがほとんどです。

無垢のフローリングにしたいのですが、マンションでも可能ですか?

物件によります。管理規約で床の遮音等級(L-45以上など)が定められている場合、その等級をクリアしたマンション用フローリングを使う必要があり、無垢材が選べないことがあります。また直床か二重床かによっても条件が変わるため、物件選びの段階でご相談ください。

築何年くらいまでの物件なら安心ですか?

一律の線引きは難しいのですが、2000年前後より古い物件では床の遮音等級の規定がない場合があり、周囲の住戸からの生活音が伝わりやすいことがあります。ご自宅側の防音を強化しても、外から来る音は工事では防げないため、この点は事前に把握しておくことをおすすめします。

リノベーション済みの物件を買っても、あとから内装を変えられますか?

変えられます。壁紙や床の張り替えは、キッチンや浴室の交換に比べて費用も工期も抑えられます。水まわりが交換済みの物件を選び、内装だけ自分好みに仕上げるという進め方は、コスト面でも合理的な選択肢です。

まとめ|「変えられないもの」だけを見に行く

中古マンションの内見は、情報が多すぎて何を見ればいいか分からなくなりがちです。ですが、リノベーション前提なら判断はシンプルになります。

工事で変えられるものは、見なくていい。変えられないものだけを見る。

具体的には、①床の構造(直床か二重床か)②管理規約の床の遮音等級 ③PSの位置と浴室サイズ ④抜けない壁 ⑤天井高 ⑥ひどい結露・カビの跡。この6点です。逆に、間取り・水まわりの古さ・壁紙・床の傷み・コンセントの位置は、工事で解決できます。

そして、「ここは工事しない」と決めている部分があるなら、そこだけは普通の内見と同じ目線で厳しく見てください。

とはいえ、直床か二重床か、上張りができるか、その壁が抜けるか——このあたりは、現場を知らないと判断が難しい部分です。TEAM-Rでは内見同行を無料で承っています。契約してしまう前の段階でご相談いただければ、「この物件でやりたいことが実現できるか」をその場でお伝えできます。

「普通のリノベじゃ、つまらなくないですか?」——他社が嫌がるようなこだわりも大歓迎の、ちょっと変わったリノベーション会社です。物件探しの段階からでも、お気軽にご相談ください。

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潮 亮輔(うしお りょうすけ)/株式会社TEAM-R 代表取締役

2011年に内装業界へ入り、フローリング職人として新築・リフォーム現場で約13年携わる。2018年に個人事業主として独立し、2023年7月に株式会社TEAM-Rを設立。内装工事を得意とし、店舗・マンション・戸建てのリノベーションを数多く手がける。「個性を大切に」を信条に、お客様との対話を何より大切にする職人肌の代表。