フローリングは上張りと張り替え、どっちがいい?|費用・工期の差と“上張りしてはいけない床”を職人が解説

TEAM-Rリノベーションコラム:サムネ画像:フローリングの上張りか、張り替えか。上張りは6畳約5万円安い。上張りしてはいけない床がある

床の傷みや色あせが気になってきたとき、最初に迷うのが「今のフローリングの上から張る(上張り)」か、「めくって張り直す(張り替え)」か。上張りは安くて早い、というイメージを持っている方は多いと思います。

ところが、床を張ってきた立場から言うと、費用の差は6畳で約5万円ほど。思ったほど大きくはありません。そして、上張りしてはいけない床もあります。

この記事では、フローリング職人として新築・リフォーム現場に約13年携わってきた株式会社TEAM-R(大阪府堺市のリフォーム・リノベーション会社)代表・潮に、上張りと張り替えの費用・工期の差、上張りできない床の見分け方、マンションでの注意点を聞きました。床材の種類ではなく、「どう張るか」の判断に絞った記事です。

この記事の結論|先に要点

  • 上張りは既存床の解体処分費がかからない一方、上張り用の床材と副資材(接着剤・両面テープ)が割高です。そのため上張りのほうが安くなるのは、解体処分費のぶん=6畳で約5万円くらいです。
  • 工期の差は1〜2日。上張りならLDK1部屋で約1〜2日、張り替えは既存床をめくって撤去するぶん長くなります。
  • 床鳴りがする・踏むと沈む・水漏れの跡がある・日焼けでパリパリの床は上張りしません。上から張っても、下の問題は残るからです。
  • 上張りで床が上がるのは1.5〜3mmほど。ドアが当たることは少ない一方、玄関框(かまち)との高さには注意が必要です。
  • TEAM-Rの床工事は張り替えのほうが多く、代表・潮も自分の家なら張り替えを選びます。ただし、下地が健全で工期と費用を抑えたい方には上張りが向いています。

1. 上張りと張り替え、何が違う?

既存のフローリングの上に新しい床材を重ねて張る「上張り」の説明イメージ

結論:違いは「今の床を残すか、めくるか」です。 上張りは、既存のフローリングを残したまま、その上に新しい床材を重ねて張る工法。張り替えは、既存の床をめくって撤去し、張り直す工法です。

上張り(重ね張り)張り替え
既存の床残すめくって撤去する
解体処分費かからない6畳で約5万円
費用の差(6畳)張り替えより約5万円安い―
床材・副資材上張り用の床材と、接着剤・両面テープなどの副資材が割高一般的なフローリング
工期(LDK1部屋)約1~2日撤去のぶん1〜2日長くなる
床の高さ1.5〜3mmほど上がる上張りのような上乗せはない
色・柄の選択肢張り替え用のフローリングより少ない多い
下の床既存の床がそのまま下に残る既存の床をめくって張り直す

こうして並べると、上張りは「早くて安い」だけの工法ではないことが分かります。どちらがいいかは、今の床の状態と、何を優先したいかで決まります。

なお、フローリングの種類(無垢・複合・シート・CF)ごとの違いや6畳あたりの費用は、フローリングの種類と選び方で詳しくまとめています。

2. 費用と工期はどのくらい違う?

家の模型と?マークの画像

「上張りは撤去がないから大幅に安くなる」と思われがちですが、現場の感覚は少し違います。

潮からのコメント

「上張り用のフローリング自体が高いし、副資材(接着剤とか両面テープ)も高い。だから物によるけど、そんなに高くないフローリングで張り替えた場合と比べたら、解体処分費くらいが変わるだけ。6畳の解体処分費はだいたい5万円くらいです。」

工期も同じで、上張りならLDK1部屋で約1~2日。張り替えは、既存の床をめくって撤去する1〜2日が加わるだけです。

さらに、どちらの工法でも、床の状態によっては次の費用が加わることがあります。

追加になることがある工事目安
不陸(床の凸凹)の調整6畳で約5〜6万円(凸凹の程度による)
床鳴りの補修1箇所あたり約3万円(仕上げ材料は別途)

総額は床の状態で変わるので、上張りと張り替えは、床を見てもらったうえで見積もりを並べて比べるのが確実です。工事は住みながらでも可能で、家具の移動をご依頼いただく場合は別途費用がかかります。

3. 上張りしてはいけない床は?

日焼けと経年で表面が劣化したフローリング|張り替えが必要な床の例

上張りは、既存の床をそのまま下に残す工法です。下の床に問題があれば、上にきれいな床を張っても問題は残ります。こういう床は、めくって下地から確認したほうがいい、というのがTEAM-Rの判断です。

今の床の状態どうするか
床鳴りがする先に床鳴りを補修してから張る(1箇所あたり約3万円)か、張り替え
踏むと沈む(フカフカする)めくって下地から確認する=張り替え
水漏れの跡がある・下地が傷んでいそうめくって下地から確認する=張り替え
日焼けでパリパリになっている張り替え

とくに誤解されやすいのが床鳴りです。床鳴りがする床にそのまま上張りしても、床鳴りの原因である下地は残るので、音は止まりません。「新しい床を張れば鳴らなくなるだろう」と考えて上張りを選ぶと、きれいになった床で同じ音が続くことになります。

4. 上張りすると床の高さはどうなる?ドアや段差は?

床とドアの隙間のイメージ画像
場所起きること対処
ドアドアの下にはだいたい1cmくらいの隙間があることが多く、当たることはあまりない―
玄関框框と床の高さの差が1mmほどしかないと、上張りした床のほうが高くなり、納まりがおかしくなる框もやり替える(必須)
隣の部屋・廊下上張りした部屋とのあいだに段差ができる見切り材で納める
巾木既存の巾木のままでも納められる床と一緒に交換するのがおすすめ

いちばん見落としやすいのが玄関框(玄関の段差の縁にある横木)です。

潮からのコメント

「玄関の框が1mmとかの場合は、上張りしたほうが高くなるから、そこが変になる。そういうときは框もやり替えるといい。必須ですね。」

巾木(壁と床の境目の部材)は、潮の答えは「既存のままでもいけるけど、一緒に交換してもらったほうがいいですね」。巾木の種類や費用は巾木とは?種類・高さ・色の選び方で解説しています。

5. マンションの上張りにも、管理規約の遮音等級はかかる?

大阪市淀川区のマンションリノベーション事例(施工中の画像)|ダークブラウンのNODAフローリングを張り進めるリビング|内装リフォーム|TEAMーR株式会社

中古マンションで床を張り替える場合、管理規約で決められた遮音等級(L-40/L-45など)を満たすフローリングを選ぶ必要があります。直床なら遮音フローリング、規約がL-40だと二重床でも選べる床材はかなり絞られる——これは中古マンションの内見チェック10やフローリングの種類と選び方で書いてきたとおりです。写真の新大阪の現場も、張り替えでL-45のフローリングを張っています。

一方の上張りは、規定に合った既存のフローリングを残し、その上に重ねる工法です。潮によると、既存のフローリングがそのマンションの規定に合ったものであることが前提で、上に張る床材には遮音等級がかかりません。

裏を返せば、今の床が規約に合ったものかどうかが上張りの前提になります。管理規約の中身は物件ごとに違うので、上張りを考えるときも、規約と今の床を事前に確認しておいてください。

6. 上張りか張り替えか、プロは現地でどこを見る?

家の図面と虫眼鏡の画像

上張りできない床かどうかが分かれば、工法はほぼ決まります。TEAM-Rが現地で確認しているのは次のところです。

見るところ確かめること
床全体(実際に歩く)床鳴り・沈み・傾きがないか
キッチン・洗面のまわり水漏れの跡がないか
ドアと床のすき間上張りで床が上がっても、建具が干渉しないか
玄関框のまわり框と床の高さの差(上張りするなら框のやり替えが必要か)

床鳴りや沈みは歩けば分かりますが、それが上張りで済む程度なのか、めくって下地から直すべきなのかは、素人さんには判断が難しい部分です。ここはプロが見たほうが確実です。

中古マンションの購入を検討中なら、TEAM-Rでは内見同行(無料)をお受けしています。直床か二重床か、既存の床に上張りできるかを、その場で確認できます。内見で見ておきたいポイントは中古マンションの内見チェック10にまとめています。

7. TEAM-Rは張り替えが多い。職人が自分の家なら?

明石市のマンションリノベーション事例画像|解体後のLDKに搬入されたフローリング材|TEAM-R株式会社

潮からのコメント

「荷物の移動とかがあって大変だけど、選べる色も柄も多い。フローリングのほうが上張りより種類が多い。元のフローリングは経年劣化でクッションもへたってるから、同じくらいの金額なら、張り替えのほうが全部キレイになるからいい。」

選べる種類が多く、へたった既存の床も残らない。差が6畳で約5万円ほどなら、全部を新しくできる張り替えを選ぶ——というのが潮の考えです。

ただ、上張りが悪い工法というわけではありません。条件がそろえば、上張りのほうが合う方もいます。

上張りが向いている人張り替えが向いている人
床鳴りや沈みがなく、下地が健全床鳴り・沈み・水漏れの跡がある
住みながら、短い工期で済ませたい床の高さを変えたくない
費用を抑えたい中古マンションをフルリノベする(どうせ全部めくるので)

中古マンションを買ってフルリノベするなら、床は張り替えが前提になります。総額や工事の流れは中古マンションを買ってフルリノベ:総額と進め方で詳しく書いています。

8. 実例:マンションの全面リノベ2件は、どちらも張り替え

大阪市淀川区のマンションリノベーション事例(施工中画像)|フローリングを張る前におこなった床の不陸調整(レベル調整)|TEAM-R株式会社
事例床
兵庫県明石市のマンション(間取り変更を含む丸ごとリノベ)nodaのL-45対応フローリング(キッチンのみフロアタイル)
大阪市淀川区・新大阪のメゾネット(住まい全体のリノベ)NODAのL-45フローリング「カナエル」

新大阪の現場では、和室をリビングの延長として使えるようにしました。そのままでは和室の部分に段差ができるため、フローリングを張る前にモルタルで段差をならしています。写真はその工程です。

仕上がれば見えなくなる部分ですが、床を整えずに張ると、歩いたときの違和感や床鳴りにつながります。張り替えなら、こうした手入れを床を張る前にできます(不陸調整の目安は、凸凹の程度により6畳で約5〜6万円)。

よくある質問(FAQ)

フローリングの上張りと張り替え、費用はどのくらい違いますか?

上張りのほうが6畳で約5万円安くなります。差は既存床の解体処分費のぶんです。上張り用の床材と接着剤・両面テープなどの副資材は割高なため、それ以上の差は出にくいです。

上張りの工期はどのくらいですか?

LDK1部屋で約1~2日です。張り替えは既存の床をめくって撤去するぶん、1〜2日ほど長くなります。どちらも住みながらの工事が可能です。

床鳴りがする床に上張りできますか?

おすすめしません。床鳴りの原因である下地が残るため、上から張っても音は止まりません。先に床鳴りを補修してから張るか(1箇所あたり約3万円)、張り替えにします。

上張りすると床はどのくらい高くなりますか?

1.5〜3mmほどです。ドアの下にはだいたい1cmほどの隙間があるため当たることは少ないですが、玄関框と床の高さの差が1mmほどしかない場合は、框のやり替えが必要です。隣の部屋との段差は見切り材で納めます。

マンションで上張りする場合も、管理規約の遮音等級はかかりますか?

今の床がそのマンションの規定に合ったフローリングであれば、上張りする床材に遮音等級はかかりません。張り替えの場合は、規約の遮音等級(L-40/L-45など)を満たす床材を選ぶ必要があります。管理規約の内容は物件ごとに違うため、規約と今の床は事前に確認してください。

まとめ|上張りか張り替えかは、「今の床」を見て決める

  • 違いは今の床を残すか、めくるか
  • 上張りのほうが6畳で約5万円安く(解体処分費のぶん)、工期は1〜2日短い
  • 床鳴り・沈み・水漏れの跡・日焼けでパリパリの床は上張りしない
  • 上張りで床が上がるのは1.5〜3mm。玄関框は要注意
  • TEAM-Rは張り替えが多い。ただし下地が健全で、工期と費用を抑えたい方には上張りも選択肢

上張りできるかどうかは、床を実際に見ないと判断できません。株式会社TEAM-Rは、大阪府堺市を拠点に堺市全域・大阪市全域ほかでリフォーム・リノベーションを手がけています。床の工事は、現地調査のあと、ざっくりの見積もりを約1週間でお出しします。

中古マンションの購入を検討中の方には、内見同行(無料)も承っています。既存の床に上張りできるか、直床か二重床かを、契約前にその場で確認できます。お問い合わせからお気軽にご連絡ください。

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潮 亮輔(うしお りょうすけ)/株式会社TEAM-R 代表取締役

2011年に内装業界へ入り、フローリング職人として新築・リフォーム現場で約13年携わる。2018年に個人事業主として独立し、2023年7月に株式会社TEAM-Rを設立。内装工事を得意とし、店舗・マンション・戸建てのリノベーションを数多く手がける。「個性を大切に」を信条に、お客様との対話を何より大切にする職人肌の代表。