造作洗面は16.5万円、造作キッチンは65万円|"既製品と同じ金額"でできるカラクリを職人が解説

造作キッチンの実例(木の天板と造作の箱)|堺市の造作リノベ TEAM-R

「オーダーメイドの造作洗面や造作キッチンにしたいけれど、既製品より何十万円も高くなるんでしょう?」——ご相談でいちばん多い質問です。

結論から言うと、造作は必ずしも高くありません。株式会社TEAM-R(大阪府堺市のリフォーム・リノベーション会社)が自社ショールームで実際に作った造作洗面・造作キッチンの金額を、内訳ごとに公開します。あわせて「なぜ既製品と同じ金額でできるのか」というカラクリ、そして正直に「ここは既製品のほうがいい」というラインまで、フローリング職人歴約10年の代表・潮亮輔が本音でお話しします。

この記事の結論|先に要点

  • TEAM-Rのショールームで実際に作った造作洗面は材工で約16.5万円造作キッチンは材工で約65万円。同等クラスの既製品を入れた場合とほぼ同じ金額です。
  • カラクリは材料の選び方。本来は「下地」に使うような安価な材料に、塗装などのひと手間を加えて仕上げ材として見せています。
  • ただしお風呂は既製品一択。キッチン・洗面も「寸法をぴったり合わせたい」「普通じゃないものがいい」という明確な理由がなければ、既製品のほうが便利です。
  • 工期は既製品のおよそ2倍(キッチン2〜3日→4〜6日、洗面1日→2日)。

1. 造作洗面・造作キッチンは、実際いくらかかった?

材工約16.5万円で製作した造作洗面台|堺市のリノベーション会社TEAM-Rショールーム

堺市にあるTEAM-Rのショールームで実際に作った造作洗面は、材工(材料費+工事費)で約16.5万円。造作キッチンは材工で約65万円でした。

まず造作洗面から。材料は棚・ボウル・水栓で約6〜8万円、残りが施工の手間です。同じサイズの既製洗面化粧台を選んで取り付けた場合、材工でおよそ16〜20万円かかります。つまり造作のほうがむしろ収まっている、というのが実際の数字です。

造作キッチンの内訳はこうなります。

項目金額
天板約22万円
シンク約5万円
水栓約2万円
袖壁のバラ板約1万円
(その他材料含む)材料費合計約50万円
工事費約15万円
合計(材工)約65万円

これは、標準クラスの既製システムキッチンを材工で入れた場合とほぼ同等の金額です。「オーダーだから倍かかる」ということは、少なくともTEAM-Rの造作では起きていません。

補足

金額は2026年7月時点の、TEAM-Rショールームでの実例です。サイズ・仕様・現場条件によって変動します。正確な金額はお見積りでご確認ください。

2. なぜ造作なのに既製品と同じ金額でできるの?

ラワン合板を仕上げに使った造作キッチン|堺市の個性派リノベ TEAM-R

カラクリはシンプルで、「本来は下地に使うような安価な材料に、塗装などのひと手間を加えて、仕上げ材として見せている」からです。

家づくりの材料には、表から見える「仕上げ材」と、その裏に隠れる「下地材」があります。下地材は見えない前提なので、当然安い。TEAM-Rはその下地材をあえて表に出し、塗装や見せ方の工夫でデザインとして成立させています。

ショールームの壁や造作家具に使っているラワン合板が、まさにそれです。合板は本来、下地に使う材料。それをクリア塗装で保護しながら仕上げに使うことで、本物の木の質感を保ったままコストを大きく下げています。

代表・潮の考え方はこうです。

「材料を良いものにすれば、当然費用は上がります。そのぶんもっといいオリジナルが作れる。でも『費用は抑えたいけど、オリジナルがいい』という方は、安くてデザイン性の高い材料を選ぶのが正解です」

つまり造作の金額は「オーダーだから高い」で決まるのではなく、どの材料を選ぶかでいくらでもコントロールできる、ということです。ここが既製品にはない自由度です。

3. 「造作は高い」というイメージは、どこから来ている?

造作そのものが高いというより、「造作をやりたがらない会社が多い」ことが背景にあるのではないか——というのが、代表・潮の見立てです。

理由は、業界の内側から見ると分かりやすいと潮は話します。

  • 造作は既製品に比べて手間と時間がかかる
  • 一点物なので、既製品よりクレームにつながりやすい
  • 既製品のほうが利益が出て、施工も楽

そのため、造作の相談を受けても高めの金額を提示して、お客様のほうから諦めてもらう——そういうケースもあるのではないか、と潮は考えています。もちろん例外もあり、すべての会社がそうだという話ではありません。ただ、造作を敬遠する会社が多いのは事実だと感じている、とのことです。

TEAM-Rの場合は、代表の潮自身が現役の内装職人です。フローリング・巾木・造作を得意分野として現場に立ってきたので、造作にどれだけ手間がかかるかを金額に反映させるとき、余計な上乗せをする必要がありません。ここが「同じ金額でできる」もうひとつの理由です。

4. 造作でケチってはいけないのは、どこ?

造作キッチンの天板まわり|堺市のリフォーム・リノベーション会社TEAM-R

住宅のキッチン天板です。実際に毎日料理をする家なら、人造大理石かステンレスを選んでください。

TEAM-Rのショールームの造作キッチンは、木の天板を使っています。見た目はとても良いのですが、潮ははっきりこう言います。

「木の天板は、料理のときに鍋を置いたら焼け跡が残ったり、クリア塗装が剥がれたりしやすい。ショールームのように実際に使うのではなく、見せるためのものならいいけれど、暮らす家なら人造大理石やステンレスをすすめます」

SNSや施工写真で見かける木天板のキッチンは、たしかに空間の主役になります。ただ、写真映えする仕様と、10年使い続けられる仕様は必ずしも一致しません。「どこにお金をかけ、どこを削るか」の判断を間違えると、造作は後悔に変わります。

逆に言えば、天板のように毎日ダメージを受ける部分さえ押さえておけば、箱や扉、袖壁といった部分は安価な材料+ひと手間で十分に成立します。これがTEAM-Rのコストの配分の考え方です。

5. 正直、既製品のほうがいいのはどんなとき?

お風呂は迷わず既製品(ユニットバス)です。造作はコスパが悪すぎます。キッチン・洗面も、明確な理由がなければ既製品で十分だと考えています。

造作を強みにしている会社としては言いにくい話ですが、ここを正直にお伝えしないと、あとで困るのはお客様です。

造作が向いている既製品が向いている
お風呂◎(造作はコスパが悪い)
キッチン・洗面寸法をぴったり合わせたい/既製品では実現できない明確なイメージがある収納力・使い勝手・耐久性を優先したい
判断の目安「普通じゃないものがいい」という理由がはっきりしている特に強いこだわりがない

既製品は収納力が高く、耐久性もあり、使い勝手がよく設計されています。それに対して造作の弱点は、使っていくうちに多少の音やズレが出てくること、そして耐久性では既製品に一歩譲ることです。

ただし、すぐにダメになるわけではありません。しっかりメンテナンスをすれば長く使えます。「既製品じゃ満足できない明確な理由があるかどうか」——これが造作を選ぶかどうかの、いちばん正直な判断基準です。

6. 造作にすると、工期はどれくらい延びる?

目安として、既製品を使った場合のおよそ2倍です。

工事既製品造作
キッチン2〜3日4〜6日
洗面1日2日

数字にすると差は数日です。リノベーション全体(住宅で1〜1.5ヶ月程度)から見れば、スケジュールを大きく崩す長さではありません。「造作にすると工期が読めなくなるのでは」と心配される方は多いのですが、この程度の差なら許容できるかどうか、で判断していただければと思います。

7. TEAM-Rが造作を"やりたがる"理由

手間がかかっても造作をやるのは、それが「どこにでもある空間」から抜け出すいちばん確実な方法だからです。

TEAM-Rが実際に手がけた店舗のリノベーションでも、この考え方は一貫しています。

大阪市中央区の店舗リノベーション事例。オリジナル製作のアイアン格子を設けた大開口と、古材の床がなじむシックな写真スタジオの空間|TEAM-R
木材で製作し塗装で仕上げたデザイン格子|大阪市中央区の写真スタジオ施工事例 TEAM-R
  • 大阪市中央区・写真スタジオ:ひとつの空間の中で、お金のかけ方をはっきり分けた事例です。主役となる大きな開口部には本物のアイアン格子をオーダー製作し、白でエイジング加工を施しました。一方、別の窓辺のデザイン格子は木材で製作して黒く塗装し、アイアン風に仕上げています。近くでよく見ないと木だと気づかないほどの仕上がりです。第4章でお伝えした「かけるところと削るところ」を、同じ部屋の中で使い分けた形になります(費用 約900万円/工期 約3ヶ月)。
  • 大阪市東淀川区・猫カフェ:「できるだけコストは抑えたいが、普通の内装では物足りない」というご要望に対し、集成材を軸にした造作ベンチを製作。ベンチ下は猫専用のトイレスペースになっています(費用 約250万円/工期 約2週間)。
  • 高槻市・猫カフェ:天井には木製のキャットウォーク、壁沿いには造作ベンチ。テレビ台も既製品ではなく集成材の造作で統一しました(費用 約300万円/工期 約1ヶ月)。

集成材も、ラワン合板と同じく本来は"主役ではない"材料です。それをどう見せるかで、空間の個性と金額は両立します。

株式会社TEAM-Rは大阪府堺市を拠点に、堺市全域・大阪市全域のほか、松原市、和泉市、泉大津市、高石市、羽曳野市、大阪狭山市、富田林市、河内長野市まで対応しています。堺市内のショールームは自社で施工した店舗事例そのものなので、造作洗面・造作キッチンの実物を触って確かめていただけます。

よくある質問(FAQ)

造作洗面はいくらから作れますか?

TEAM-Rのショールームの実例では、材工で約16.5万円(うち材料費6〜8万円)でした。同等サイズの既製洗面化粧台を材工で入れると約16〜20万円なので、ほぼ同じ金額です。サイズや選ぶ材料によって変動します。

造作キッチンの費用の内訳を教えてください。

ショールームの造作キッチンは材工で約65万円。天板約22万円、シンク約5万円、水栓約2万円、袖壁のバラ板約1万円などを含む材料費が約50万円、工事費が約15万円です。標準クラスの既製システムキッチンとほぼ同等の金額になります。

造作キッチンの天板は何を選べばいいですか?

実際に暮らす住宅なら、人造大理石かステンレスをおすすめします。木の天板は鍋を置いた際の焼け跡やクリア塗装の剥がれが起きやすいためです。ショールームのように「見せるための空間」であれば木の天板も選択肢になります。

お風呂も造作できますか?

技術的には可能ですが、コストパフォーマンスが悪いため、TEAM-Rでは既製品(ユニットバス)をおすすめしています。造作は洗面・キッチン・収納・ベンチなど、寸法とデザインの自由度が効く部分で活かすのが現実的です。

造作は既製品より壊れやすいのでは?

使っていくうちに多少の音やズレが出ることはあり、耐久性では既製品が優れます。ただしすぐに使えなくなるわけではなく、メンテナンスをしていけば長く使えます。TEAM-Rでは代表が直接アフターフォローに対応しています。

中古マンションでも造作キッチン・造作洗面はできますか?

できます。ただしマンションの場合、水まわりを動かせる範囲はPS(パイプスペース)の位置に左右され、床材も管理規約の遮音等級で制約を受けることがあります。物件によって条件が変わるため、購入前の段階でご相談いただくと確実です。詳しくは中古マンションの内見チェック10をご覧ください。

まとめ

造作洗面は材工で約16.5万円、造作キッチンは材工で約65万円。TEAM-Rのショールームの実例では、どちらも同等クラスの既製品とほぼ同じ金額でした。

そのカラクリは、本来は下地に使う安価な材料に塗装などのひと手間を加え、仕上げとして見せていること。造作の金額は「オーダーかどうか」ではなく「どの材料を選ぶか」で決まります。

一方で、お風呂は既製品一択。キッチンや洗面も「寸法をぴったり合わせたい」「普通じゃないものがいい」という明確な理由がなければ、収納力や耐久性に優れた既製品のほうが快適です。工期は既製品のおよそ2倍かかります。

「こんなことできるかな?」という漠然としたイメージでかまいません。予算と一緒にぶつけていただければ、材料の工夫でどこまで実現できるかを、職人目線でご提案します。堺市のショールームでは、この記事に出てきた造作洗面・造作キッチンの実物をご覧いただけます。

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潮 亮輔(うしお りょうすけ)/株式会社TEAM-R 代表取締役

2011年に内装業界へ入り、フローリング職人として新築・リフォーム現場で約13年携わる。2018年に個人事業主として独立し、2023年7月に株式会社TEAM-Rを設立。内装工事を得意とし、店舗・マンション・戸建てのリノベーションを数多く手がける。「個性を大切に」を信条に、お客様との対話を何より大切にする職人肌の代表。